2020年07月16日

SBSラジオ「鉄崎幹人のWASABI」で陸軍中野学校についてお話ししました

先ほど7月16日(木曜)正午過ぎに静岡のSBSラジオ「鉄崎幹人のWASABI」に出演しました。「とんでもWファイル」のコーナーで陸軍中野学校についてお話しさせていただきました。MCの鉄崎さんも陸軍中野学校や秘密戦に大変興味を持っていらっしゃり、楽しかったです。

こちらに番組前に作成し、スタッフに渡した私のメモがあります。お時間あればご笑覧ください。

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2020年7月16日WASABI出演「陸軍中野学校」

かつて日本が戦争をしていた時代――
その存在を歴史から消した男たちがいた。
後世、彼らの功績が語られることはない。


日米開戦前の世界を舞台にした亀梨和也主演の人気スパイ映画『ジョーカー・ゲーム』の幕は、こんな言葉で切って落とされます。この映画は、旧日本軍内に秘密裏に設立された実在のスパイ養成組織「陸軍中野学校」をモデルにしています。

太平洋戦争が終わった後もフィリピンのジャングルに潜み、戦後30年近く経ってから生還した元日本兵の故小野田寛郎(おのだ ひろお)氏も陸軍中野学校の出身者として知られています。

陸軍中野学校は1960年代後半には、大映の全5作の映画シリーズにもなりました。歌舞伎役者の市川雷蔵が主演し、映画『八つ墓村』で有名な小川真由美、松尾嘉代、船越英二(船越英一郎の父)、野際陽子らそうそうたる俳優が出演しています。いま見てもとても面白いです。

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その映画の中では、香港でチャイナドレスを着た女性が、市川雷蔵が主役を務める日本人情報員の背後から小走りで走ってきて、背中に毒針を打って気絶させ、拉致する場面も出てくる。2017年2月にマレーシアのクアラルンプール空港で起きた金正男(キム・ジョンナム)毒殺事件を彷彿とさせます。

実は、戦後、北朝鮮の工作機関が陸軍中野学校を手本にしてきたと、作家の佐藤優(まさる)氏ら内外の多くのインテリジェンスのプロたちが指摘しています。

金正男暗殺事件の手口はかなり巧妙でした。女性二人の実行犯をトカゲの尻尾切りのごとく生贄にして、主犯格はすべて逃走ルートを確保してマレーシアを脱出した点などです。

また、金正男は2人の攻撃者からVXの前駆体となる2種類以上の化学物質を塗りつけられた可能性が指摘されております。これは、バイナリー兵器といい、化学兵器の一種で、無害の状態の二つの化学物質を投射時に混合して、猛毒物質を作り出すもの。

戦後史の謎の事件の一つとされる帝銀事件も、人間に毒性を持たないシアン化物と、その成分を毒性化する酵素の2薬を使用した、バイナリー方式で犯人が銀行員ら12人を殺害したとみられています。警察の捜査はなぜか占領軍GHQの圧力でつぶされました。警察の捜査は旧日本陸軍の毒物研究の実態にどこまで迫っていたのか。背後には旧陸軍の「七三一部隊」の影がちらつきます。

私が何度も取材した、金正日の専属料理人の藤本健二氏は、金正日と射撃の的撃ち競争をしていて、藤本氏が勝つと、「藤本、中野ヤー(陸軍中野学校の意)」とよく言われたと本に書いております。

北朝鮮の元工作員、安明進氏は金正日政治軍事大学にいた際、昔の映画「陸軍中野学校」を教材として何度も見せられていたといいます。また、横田めぐみさんも曽我ひとみさんも、一緒にこの映画をスライドで見たと話しております。

JR中野駅近くにある東京警察病院の敷地の片隅には、今も人知れずひっそりと植木に埋もれた「陸軍中野学校趾」の石碑が建てられています。まさに陸軍中野学校がいまだに歴史から消え去られ、歴史に埋もれているようです。

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しかし、北朝鮮のスパイ組織が、戦前の大日本帝国陸軍の軍学校、陸軍中野学校の手法を少しでも学んでいたのであれば、今後も北朝鮮の工作や謀略に対抗していくためにも、日本は過去に自らが行っていたインテリジェンス活動を分析研究し、知る必要があります。これは国民の理解を得て、日本がカウンターインテリジェンス(防諜)を推し進めるうえでも重要なことだと思います。

参考記事:北朝鮮スパイと「陸軍中野学校」を結ぶ点と線
日本は貴重な歴史の教訓に目を向けるべきだ

























posted by Kosuke at 12:52| Comment(0) | ラジオ出演
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