2009年1月公開の映画で「感染列島」という邦画をありましたが、今、世界で現実に起きていることはこの映画と重なることが多いように思えます。院内感染や人工呼吸器の不足、ワクチンの未開発など、未知の新型ウイルスがもたらす恐ろしさを改めて実感しております。
「たとえ明日、世界が滅亡しようとも、今日私はリンゴの木を植える」。「感染列島」では、人々を救うために院内感染をし、亡くなってしまうWHOメディカルオフィサーの言葉に心を打たれました。まだご覧になっていない方にはぜひお薦めの映画です。
また個人的にはここ10年ほどいつも、「テロリストがドローンを使って、空から炭疽菌といった細菌ウイルスをばら撒いたら、日本は大丈夫か?」といったような心配を抱いてきました。日本は、防疫をはじめ、国家の危機管理策を早急に確立しないといけないと思っております。政治家を責めるだけでなく、国民も防疫や生物化学兵器へのカウンター措置といった危機安全対策に日ごろから関心を持ち、どこか頭の片隅にでも考えていることが必要と思っています。
なぜなら、所詮、政治家は国民を映す鏡ですから、国民が平和ボケをしているようでしたら、そうした有事に弱い政治家しか生まれないからと思うからです。国民の生命と財産を守るのは国家の務めです。危機管理に強い政治家を国民が育てる必要があると思います。そのために、私もメディアの一員として、危機に強い政治のリーダーシップを促すためにも、折に触れ、発言して叱咤激励したいと思っています。人々の日々の小さな平和を守るためには、有事に向けた備えが何より大事だと思っております。
新型コロナウイルス関連を含め、最近書いた拙稿は以下の通りです。
●新型コロナ緊急事態宣言、日本に本当に足りないのはマスクより国民のコンセンサスだ
●在日アメリカ大使館、日本の新型コロナ検査不足を指摘「有病率を正確に把握するのは困難」
●空自F2後継機、防衛省がロッキードマーティン提案のF22とF35ベースのハイブリッド型を断る
●新型コロナウイルス患者ゼロのクルーズ船「にっぽん丸」の感染対策とは?正しいマスクの着け方も公開
●新型コロナ対策 持ちこたえるアジア、感染爆発を防げなかった欧米――何が明暗を分けたのか?
モンゴルと台湾の“水際作戦”が成功した理由
●新型コロナ対応で露呈。戦後日本の成り立ちが招いた危機管理の弱さ
お時間あればぜひご笑覧ください。