20世紀最大のミステリーとも言われてきたケネディ暗殺。暗殺事件を調査するウォーレン委員会は、24歳のリー・オズワルドの単独犯行説と結論づけた。
しかし、先週21日のSBSラジオ「鉄崎幹人のWASABI」出演でもお話ししたように、オズワルド犯行説には無理がある。
1つには、ケネディ暗殺の現場の瞬間を写した8ミリフィルムでは、どう見てもケネディは前から撃たれているのに、ウォーレン委員会はオズワルドが後ろのビルの6階から撃ったと結論づけていること。
さらには、オズワルドが5.6秒間に3発も発射し、遠く離れたビルからケネディを一人で殺したとされているが、これはどんな銃の名手でも不可能です。
このことは前回のブログで詳しく書きました。
謎が渦巻くケネディ暗殺@ 〜誰がJFKを殺ったのか〜
"I am just a patsy."(私ははめられた)
オズワルドは逮捕後、こうテレビカメラの前で述べていた。先日のNHKスペシャルでも何度もこのシーンを放映していた。
では、誰がケネディを殺ったのか。
先週に続き、28日に「鉄崎幹人のWASABI」に出演し、以下のようなお話をさせていただきました。せっかくですので、番組スタッフに送りましたメモをこちらに掲載いたします。
◇ ◇
ケネディ暗殺作戦の首謀者は、結論から言えば、アメリカ中央情報局のCIA。
現場の実行部隊は、CIAお抱えのマフィア組織のヒットマンたち。
そして、このケネディ暗殺計画は、当時のジョンソン副大統領、のちに大統領になるリチャード・ニクソン、当時のFBI長官のフーバー、テキサス出身の石油王のH. L. ハントら政財界のトップらのお墨付きを得て実行された、と私はみている。
ジャーナリストの大先輩、落合信彦さんの「2039年の真実」は、ニクソン大統領が暗殺の黒幕と結論づけているが、私はジョンソン副大統領も暗殺計画に深く絡んでいるとみている。
なぜか。
@ ジョンソン副大統領の20年近くの愛人だった、マデリン・ブラウンが1980年代から衝撃の告白をしている。彼女はジョンソンの子を宿し、育ててきた。
その彼女の告白は、ケネディ暗殺前夜の1963年11月21日夜、テキサスの石油王のクリント・マーチソンのダラスの自宅で、暗殺が協議されていたとのこと。その参加者は、マデリンの愛人であるジョンソン副大統領、FBI長官のフーバー、リチャード・ニクソン、テキサス出身の石油王のH. L. ハント、CIAの前身であるOSSの元幹部のジョン・マクロイら。
この彼女の証言の模様はYouTubeでも見ることができ、大きな反響を呼んでいる。
また、彼女によると、この暗殺協議当日の夜、ジョンソンは彼女に対し、「明日以降、あいつらケネディ家は二度と決して私を侮辱することはできない。もう脅威ではない。これは約束だ」と述べた。ジョンソンはケネディ家、特にJFKの弟のロバート・ケネディ司法長官と犬猿の仲だった。
また、1963年の大みそかの夜にも、ジョンソンは彼女に対し、ケネディ暗殺が「テキサスの石油王とCIAによるものだ」と述べたという。ジョンソンは暗殺計画を知っていたものの、ケネディを憎み、自らも大統領になりたかったため、暗殺を止めなかったという。
また、ジョンソンは1969年9月、アメリカのCBSテレビのインタビューで、ウォーレン委員会のオズワルド単独説に疑義をとなえ、ケネディ暗殺の陰謀をほのめかしてしまった。そして、CBSに対し、その部分を国家安全保障を理由にして、放映しないように求めたことがあった。とてもキナ臭い。
さらに、ジョンソンは1973年にもインタビューで「オズワルド単独説を信じたことはない」と述べている。
A 暗殺事件を調査するウォーレン委員会は、ケネディの後に副大統領から大統領になったジョンソンの大統領諮問機関。その委員として、ケネディがかつて首にしたCIAの元長官のアレン・ダレスや、CIAの前身であるOSSの元幹部のジョン・マクロイらを任命した。
ケネディは、CIAの解体に動いていただけに、ダレスやマクロイらのケネディへの反発はすごかった。ケネディは、キューバに侵攻し、カストロ政権の転覆を試みたCIA主導の1961年の「ピッグス湾事件」に激怒していた。一方、ダレスらはなぜケネディが空爆を認め、CIAを支援しなかったのかと反発を強めていた。
B このほか、FBIのフーバー長官は、ダラスの警察署内でオズワルドがジャック・ルービーに射殺されると、直ちにケネディ暗殺の捜査を終えるように指示した。(フーバーはケネディ大統領の女性癖などの情報を収集し脅迫、ケネディと対立)
このほか、ケネディはベトナムから撤退し、アメリカ軍や軍事企業から反発を買っていた。
CIAのカストロ暗殺部隊がケネディ暗殺に用いられたとの見方もある。
イリノイ州の刑務所にいた囚人のジャームズ・ファイルズは、マフィアのチャールズ・ニコレッティとジョン・ロッセーリとともに現場ダラスの芝生の小山(grassy knoll)からケネディを狙撃したと告白している。
後のニクソン大統領のウォーターゲート事件では、ケネディ暗殺への関与が指摘されるE・ハントらがかかわり、逮捕された。ハントはニクソン大統領をため口で恐喝していた。
ケネディ暗殺計画に関わる可能性がある組織は以下の通り。
@ ダレス元長官含む中央情報局(CIA)
A フーバー長官指揮下の連邦捜査局(FBI)
B マフィア
C テキサス州の大石油資本
D ジョンソンやニクソンら大物政治家
1947年に発足したCIAは冷戦下に急激に力を付け、暴走し始めていた。そして、それに歯止めをかけようとしていた自らのケネディ大統領までも殺ってしまった。E・ハントらCIAのエージェントたちはその後も、ウォーターゲート事件やイラン・コントラ・ゲート事件でも暗躍した。
日本の多くの人々にもケネディ暗殺に興味を持ち、アメリカ史上最悪とも言っていい悲劇を知っていただきたい。以下のドキュメンタリーや本がお薦めです。
posted by Kosuke at 20:28| Comment(0)
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